ソロモン諸島政府観光局ブログ

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ソロモン諸島の世界遺産 東レンネル

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東レンネルは、ソロモン諸島の南の端に位置するレンネル島の一部です。レンネル島は、ソロモン諸島のレンネル・ベローナ州で最大の島ですが、実は島すべてがサンゴ礁でできているんです。東レンネルは、サンゴの環礁が隆起してできた世界最大の島なのです!1998年にソロモン諸島では唯一の世界遺産に登録されています。
 
東レンネルの最大の魅力の一つは、島面積のほとんどを占めている汽水湖・テガノ湖の存在です。汽水湖・テガノ湖は太平洋エリアでは最大級の湖として知られており、湖面にはなんと200種類を超える野生の鳥が生息しています。様々な鳥だけでなく、クロッカーウミヘビなどの珍しい生物も生息しています。
 
また、テガノ湖は湖でありながら海水と淡水が入り混じっており、その水を舐めると、海水のようにしょっぱいのだそう!海水が混じっているため、「湖のどこかで海と繋がっているのではないか」と言われていますが、実はその詳細は解明されていないのです。。。この島の研究をする専門家は非常に少なく、まさに東レンネルは南太平洋に浮かぶ秘境と言えますね。
 
このように島独自の生物や地形、美しいサンゴ礁などの魅力を知ると、東レンネルが世界遺産であることも納得ですね。

 

しかし近年では、島の西側で森林伐採や採鉱による環境破壊が進み、残念なことに東レンネルの生態系が脅かされているんです。国際自然保護連合(IUCN)も、世界遺産の評価基準である「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」が東レンネルで失われてきていることを懸念しています。東レンネルは、ソロモン諸島唯一の世界遺産登録地であることを踏まえても、こうした島の自然破壊は非常に悲しいですね。

 

ソロモン諸島政府としても、東レンネルの環境問題に対して危機感を持つようにはなっていますが、様々なリソースの不足もあり、まだまだ具体的な行動ができている状態にないのが現状です。
(文・高松優至、岡野奈々)



 


〈参考文献〉
・"ソロモン諸島世界遺産一覧". 世界遺産オンラインガイド. https://worldheritagesite.xyz/east-rennell/ (参照2021-02-16)
・”特集『太平洋の秘境!水中洞窟のナゾ』” 2016年5月8日放送記事
https://www.tbs.co.jp/heritage/2nd/feature/2016/201605_01.html (参照2021-02-16)
・”太平洋の秘境にある世界最大のサンゴ礁野島。世界遺産東レンネル” skyticket観光ガイド 2020年11月25日 https://skyticket.jp/guide/112671(参照2013-02-16)
・”ソロモン諸島東レンネル危機遺産に行ってみた”. Journey. https://yuuma7.com/ソロモン諸島東レンネル危機遺産に行ってみた/ (参照2021-02-17)
・"East Rennell". IUCN World Heritage Outlook. https://worldheritageoutlook.iucn.org/node/1087 (参照2021-03-28)