ソロモン諸島政府観光局ブログ

ソロモン諸島政府観光局日本事務所が運営する公式ブログです。

ソロモンのフットサルは伝説ばかり!?ーW杯史上最多失点ー

こんにちは!
突然ですが、皆さんは「FIFA」と聞くと何を連想しますか?

ほとんどの人が「サッカー」や「ワールドカップ」を思い浮かべると思います!
FIFA国際サッカー連盟(Fédération Internationale de Football Association)のことで、スイスのチューリッヒに本部を置く、サッカーの国際組織です。が!

実は、FIFAサッカーワールドカップ以外にも、フットサルワールドカップを開催していて、ソロモン諸島フットサルワールドカップに出場しています!!

残念ながら、ソロモン諸島はいつもグループトーナメントで負けてしまい、決勝トーナメントには進めていませんが、競合国に混ざって戦っているのは誇らしいですよね!

今回はそんなソロモン諸島のフットサルが残した数々の伝説のうち、「ワールドカップ史上最多失点記録」をご紹介します。

ワールドカップ史上最多失点記録
2008年ブラジルで開催されたフットサルワールドカップに、ソロモン諸島オセアニア代表として出場しました。ソロモン諸島は、グループAになり、ブラジル、ロシア、日本、キューバと対戦しました。
3戦目までの 結果は以下の通りです。

1戦目 対キューバ 2-10
2戦目 対ブラジル 0-21
3戦目 対日本 2-7

余談ですが、3戦目の日本との試合では、前半を2-3の僅差で折り返しています。ソロモン代表チームさすがです!

迎えた最終4戦目、対ロシア戦にて伝説が起きてしまいます…。

結果は…。

ソロモン諸島 2-31 ロシア

で負けてしまいます…。
(残念ながら、当時の映像は残っていませんでした。)

31点取られたのは、フットサルワールドカップ史上最多失点になりました。
ブラジルに21点取られたことも驚きですが、31点はすごいですね…。

でもご安心ください!!
当時の結果は残念でしたが、最近はそこまで点数を取られてしまうことも減り、2021リトアニア大会では、2桁失点はなく、数点差に押さえる試合が出来ています!!
ソロモン代表チームは、ぐんぐん成長していますね!今後の展開に期待です!

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現在のソロモン諸島代表チームのメンバー

写真:現在の代表チームがW杯リトアニア2021に向けてワクチン接種を行った後の集合写真です!仲が良さそうですね!

今回は、ソロモン諸島フットサル代表チームが残した伝説をご紹介しました!
好評であれば、別の伝説も紹介したいと思います!
もし皆さんも、ソロモン諸島のサッカーやフットサルに関する伝説を知っていましたら教えてください!

写真の引用元
・Solomon Islands Football FederationのFaceBook投稿
https://www.facebook.com/solomonislandsfootball/photos/pcb.1429375677413344/1429372290747016/

参考文献
JFA ホームページ
日程・結果|FIFA フットサルワールドカップ リトアニア2021|フットサル|日本代表|JFA|日本サッカー協会
Wikipedia 2008年FIFAフットサルワールドカップ
2008 FIFAフットサルワールドカップ - Wikipedia
・Topend Sports ホームページ
Sport in The Solomon Islands
・Boas compras ホームページ ソロモン諸島対日本 解説
FIFA フットサルワールドカップ2008 日本 vs ソロモン ハイライト


(文章:井澤大樹)

オセアニアが湧く!パシフィックゲームズって何!?ーホニアラ開催の裏話ー

2021年、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されました。

残念ながら当日は無観客での開催が多かったですが、記憶に残るイベントになりましたね!

オリンピックが東京に決まった2013年9月、日本中が盛り上がりましたよね!

他の候補地、トルコのイスタンブール、スペインのマドリードを制して、決定した瞬間のIOC前会長ジャック・ロゲ氏の「トーキョー」は覚えていますか?

あの時からオリンピックの開催に向けて日本全体が準備を進めました。

実は今のソロモン諸島はそんな状況なのです!

今日は、ソロモン諸島での開催が決まったパシフィックゲームズ2023 ホニアラ大会を紹介します!


パシフィックゲームズとは?

まず、パシフィックゲームズとは何のことでしょうか?

とにかくオセアニア中が盛り上がる、オセアニア版オリンピックと思って頂ければ大体合っています!(正確にはオセアニア+オーストラリア、ニュージーランドが参加しています。)

以前パシフィックゲームズについて解説した記事がありますので、気になる方はこちらもご覧ください!

visitsolomons.hatenablog.jp


開催決定までのドラマ

2015年7月、パシフィックゲームズ評議会(PGC)は総会で、パシフィックゲームズの2023年大会の開催地の入札を発表しました。それから6か月間の入札期間があり、2016年の年明けに締め切られ、開催国の検討がスタートしました。ソロモン諸島と同じように入札を目指したのは、フランス領ポリネシアタヒチ島でした。

ライバルのタヒチは、前回大会の入札へ参加しており、その時は負けてしまったので、今回は入札できるだろう、と思われていました。そんな強敵タヒチソロモン諸島は大会の開催を巡って争うことになりました。

入札は、PGCに加盟する22の連盟の投票によって決まります。2016年の年明けの締切からスタートした検討は、2016年5月に最終決戦を迎えます。最終決戦は、バヌアツで行われたPGCの年次総会での最終プレゼンテーションとなりました。

ソロモン諸島が入札に参加する上で最も懸念されていたのは、議会での反対でした。

しかし、ソガバレ首相は、与野党をまとめ、今回のプロジェクトへ国として財政支援を行うこと、PGCの年次総会へ参加するために議会の特別延期を決めることができ、万全の体制でバヌアツの年次総会へ参加しました。

最終プレゼンに、ソロモン諸島からはソガバレ首相が参加しました。

迎えた入札の発表…。


ソロモン諸島に決まりました!

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写真:開催決定の瞬間


当時有力と考えられていたタヒチを破り、ソロモン諸島での開催が決まりました!

投票は数票の僅差だったと伝えられています。


開催に向けて準備中!

開催が決まったソロモン諸島には、まだ大きなスポーツ大会を開催できるほどの施設がありません。そのため、各地では急ピッチで建設が進んでいます。そのうちの一つをご紹介しますね!


新国立競技場

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新国立競技場の計画図

新たに5つのスポーツ施設から構成される大きなスポーツセンターが誕生します。

ここでは、開催予定の24種目の内、10種目が行われます。開閉会式もここで開かれる予定で、今回の大会のメイン会場になると予想されます!!

完成が待ち遠しいですね!!無事竣工した時には、皆さんにお知らせします!


ソロモン諸島に関する最新情報はTwitterで更新しています!フォローがまだの方はぜひフォローもよろしくお願いします!


参考文献
・大会の計画書
https://www.solomonchamber.com.sb/media/1723/sol2023-update.pdf

・当時の記事
Tahiti will be "difficult" to beat in race to host 2023 Pacific Games, Fiji warned
Solomon Islands to challenge Tahiti for right to host 2023 Pacific Games
Solomon Islands awarded 2023 Pacific Games

(文章:井澤大樹)

太平洋諸国の伝統文化を楽しめる!フェスティバル・オブ・パシフィックアーツ

太平洋諸国の祭典といっても、あまりピンと来ない方が多いのではないでしょうか。、大きなイベントとしては、最近Twitterやブログで話題にあげているパシフィックゲームズがあります。パシフィックゲームズとは、オセアニアで4年に1度行われるスポーツの祭典です。なんと、次回の2023年にはソロモン諸島で開催されます。パシフィックゲームズに関して詳しくはこちらのブログを読んでみてください!
オセアニアが湧く!パシフィックゲームズって何!? - ソロモン諸島政府観光局ブログ


そして今回紹介するのは、ソロモン諸島でも開催されたことのある、太平洋諸国の芸術の祭典、フェスティバル・オブ・パシフィックアーツ(通称「アートフェスティバル」なので、以下アートフェスティバル)です。これは、太平洋地域の住民が集う、太平洋地域最大規模のフェスティバルです。

アートフェスティバルは、伝統的な文化が失われつつある流れを食い止めるために、1972年の南太平洋委員会(現在の太平洋共同体SPC)会議で発案されました。そして、1972年に第1回目の祭典が、フィジーの首都、スバで開催されました。
それ以降、アートフェスティバルは、4年に1度開催されています。祭典には、20を超える太平洋諸国や、準州の代表団が参加します。

それでは、アートフェスティバルではどのようなことが行われるのでしょうか?
2週間に渡って開催されるこの祭典には、太平洋地域のアーティストや、パフォーマー、工芸職人が集まり、それぞれのパフォーマンスを披露します。伝統文化を守る機会となっていることはもちろん、互いの国の文化多様性を知り、相互理解を高める重要な機会ともなっています。

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パフォーマンスの様子

アートフェスティバルは、ソロモン 諸島でも開催されたことがあります!
ソロモン諸島の首都、ホニアラでは第11回目の祭典が、2012年の7月1日から14日にかけて開催されました。ソロモン大会のテーマは『自然と強調する文化』でした。こちらはソロモン大会のロゴです!とても可愛いですよね!
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開会式はビーチで行われ、ホニアラには一日中パフォーマンスを楽しめる、パフォーマンスアリーナや、工芸品を買ったり職人技のデモンストレーションがみられるカルチャービレッジが設置されました。

ソロモン諸島で行われたフェスティバルの雰囲気はこちらのニュージーランドの放送局による紹介動画で体験してみてください!
https://www.youtube.com/watch?v=FQrfiQ02Jbo

 
次にソロモン諸島で開催された経緯について紹介します!

ソロモン諸島、ウォリス・フツナ諸島ハワイ諸島の3つの候補の中で、開催国としてソロモン諸島が選ばれたのは、2004年のことです。
ソロモン諸島が選ばれた理由として、
①第11回はメラネシアの小領域がよいとされていた
②当時、地域紛争を経験したばかりのソロモン諸島へ、経済成長や評判をあげる機会を渡すことに、他メラネシア地域も賛同していた(※)
③世界に誇れる文化多様性があるこの3つが挙げられ、ソロモン諸島が選ばれたのです。

ソロモン諸島では、1998-2003年にエスニック・テンションと呼ばれる地域紛争がありました。

2008年にサモアで開催された第10回大会では、サモアからのソロモン諸島へのフェスティバルフラッグの引き渡しが行われました。ソロモン諸島政府の代表は当時の文化観光大臣であるホン氏でした。

その後、2009年にソロモン諸島のフェスティバルの組織委員会が発足され、準備が進められて行きました。しかし、
ソロモン諸島のような小国にとって、大きなフェスティバルの開催は、資金獲得含め、簡単なことではありませんでした。オーストラリアやニュージランドからは舞台関係の資金援助、バヌアツ共和国からも水タンクなどの支援を受けました。さらにEUからは、フェスティバルの事務所にパソコン、さらに委員会だけでなく、参加者にも携帯電話が寄付されました。途中、2010年に政権交代による影響がありながらも、他国の協力を受けつつ、準備は進められました。

このようなことからも、アートフェスティバル​​は開催までにもたくさんの国と共に助け合っていることがわかりますよね!

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<委員会による会議の様子>

次回のアートフェスティバルは、2020年の6月にハワイのホノルルで開催される予定でしたが、コロナウイルスの影響で4年先延ばしになり、2024年に開催されることになっています!

これを機にぜひ次回のアートフェスティバルに参加してみてはいかがでしょうか?

(文章 上田悠奈)

<参考文献>
https://www.visitguam.jp/chamorro-culture/festival-of-the-pacific-arts/
https://en.unesco.org/events/12th-festival-pacific-arts
https://www.last.fm/festival/3270425+11th+Festival+of+Pacific+Arts
https://www.spc.int/sites/default/files/documents/11th_Solomon%20Islands_Festival%20of%20Pacific%20Arts%20Report_2012.pdf

オセアニアが湧く!パシフィックゲームズって何!?

こんにちは!
いつもソロモン諸島政府観光局のブログやTwitterを見てくださっている方は、ソロモンから東京オリンピック出場者が3人も出たことはご存じですよね!

棄権者続出のレースで自己ベストを大きく更新した女子マラソンシャロン選手!旗手もお疲れ様でした!
競技プールの無いソロモンから出場した男子競泳100m、エドガー選手!
ソロモンでは伝統的な競技、重量挙げに出場した女子重量挙げ55kg、メリー選手!
3人ともお疲れ様でした!

3人について気になった方は、ぜひこちらのブログも見てくださいね!3人を紹介していますよ!
visitsolomons.hatenablog.jp


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パシフィックゲームズ2019年サモア大会 旗手 シャロン選手

写真は今回ご紹介するパシフィックゲームズ2019年サモア大会でも旗手を務めたシャロン選手です!

日本では大盛り上がりだったオリンピックですが、実はソロモン諸島ではあまり盛り上がっていません…。ソロモン諸島では、各家庭にテレビがないこともその理由かもしれません。

その代わり!と言っては何ですが…オセアニアが4年に1度スポーツで盛り上がるイベントがあります!オリンピック以上に盛り上がっているみたいですよ!

それが…
パシフィックゲームズ(Pacific Games)です!

今日はそんなオセアニアが大盛り上がりするパシフィックゲームズについて解説したいと思います!


「パシフィックゲームズ」ってなに?
パシフィックゲームズとは…
簡単に言うと、「オセアニア版オリンピック」です!

パシフィックゲームズは、オセアニア諸国のスポーツの発展を促進し、スポーツ発展の成果を発信するためのプラットフォームを提供しています!
また、オリンピックへの架け橋となる大会として位置づけられています!

そんなパシフィックゲームズですが、いつから始まったか気になりますよね…!

歴史
実は…!パシフィックゲームズは、第1回大会が1963年に行われています!!歴史がありますね!
1963年以後4年に1度開催され、前回2019年にサモアで開催された大会は第16回目でした!

第1回の開催国はフィジーのスバなんですよ!意外でしたか??
(今度Twitterのクイズになるかもしれませんね!笑)

最初は参加国が少なく、サウスパシフィックゲームズと呼ばれていました。
徐々に参加国が増え、1981年からはスポーツの発展途上国のためのパシフィックミニゲームも行われています!


どれくらい盛り上がってるの?
パシフィックゲームズはオセアニア各国から多くの選手が出るため、オセアニアの一大イベントになっています!

…とは言っても中々雰囲気が分からないですよね。
では、2019年サモア大会の開会式の動画を見てください!
www.youtube.com

どうですか?私も初めてこの動画を見て、選手の数とパフォーマンスにびっくりしました!
一度観戦してみたいですね!

ソロモンでの開催
ここまで解説したパシフィックゲームズですが、なんと…

次回開催国はソロモン諸島なんです!!!
パシフィックゲームズがソロモン諸島で開催されるのは初めてのことです!

こんなに大きなイベントがソロモンで開催されるのは、とても光栄なことですよね!
次回大会は2023年です!待ち遠しいですね!

各家庭にテレビがないソロモン諸島のみなさんも、自国開催となれば直接見に行くことも叶い、盛り上がるのも必死です。

大会の情報が分かり次第皆さんにお伝えしますね!みんなでソロモンを応援しよう!


(文章:井澤大樹)


参考文献
Pacific Games Council ホームページ
Pacific Games Council | ONOC
Pacific Games の歴史
History - Pacific Games Council - GameDay

ソロモン諸島の固有種「ソロモンオウム」

みなさん、こんにちは。
今回はソロモン諸島の固有種「ソロモンオウム」についてご紹介したいと思います。
「オウム」と聞けば、「南国」「海賊」「片言」。個人的にはロマンあふれる生き物だと思っています(笑)。
今までご紹介してきた他の固有種と違って、ソロモンオウムは絶滅危惧種ではないので、ご安心してお読みくださいね。


ソロモンオウムの英語名は、Solomon Islands Cockatoo, Solomons Cockatoo, Ducorp's Cockatoo, Broad-crested Corellaなど。
南部のマキラ島を除くソロモン諸島全域に生息します。


ソロモンオウムってどんな見た目なの?!って気になりますよね。
オウムと言われて想像するのはカラフルなものが多いと思います。
そう、例えばこんな感じ!

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ツラギで見かけた、マライタ島で生息するキフジンインコ(はっきりとは分かりませんが…)


しかし、なんとこのソロモンオウムはほぼ全身が真っ白なのです!!!

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ソロモンオウム

(掲載元:image from http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Hana2.jpg author: http://en.wikipedia.org/w/index.php?title=User:Klewis2&action=edit)

ちょっと見えにくいかもしれませんが、ほんのりとしたピンクが頭の羽に、そして少し明るいピンクがほっぺにもあり、個体によっては胸までピンクなものもいるようです。
そして、目の周りは青く、オスであれば茶色の、メスであれば赤色または茶色の瞳を持っています。体長は約30㎝。

もっと写真を見たい!という方はぜひこちらのリンクから↓
www.parrots.org


また、鳴き声も気になりますよね!
希少な野生動物の動画閲覧サイトMacaulayLibraryでは、ソロモンオウムの鳴き声を堪能しながら、実際に動き回っている姿も確認できます。本当にソロモン諸島のジャングルに来た気分になれますよ!
https://macaulaylibrary.org/asset/201330941

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ソロモン諸島のジャングル

実はソロモンオウムは人になつきやすいため、ペットとしても人気で日本でも飼われているようです。
YouTubeでも「ソロモンオウム」と検索していただければ、可愛がられている幸せなソロモンオウムたちが出てきます!

他にもたくさんの鳥たちが雄大な自然で生息しており、バードウォッチングも人気です。ぜひソロモン諸島を訪れた際には、のびのびと飛び回るソロモンオウムもご覧ください!



(文/馬場千智)

参考文献
Parrot Encyclopedia | Ducorp's Corella | World Parrot Trust
ML201330941 Ducorps's Cockatoo Macaulay Library
hoken-room.jp

ソロモンの満腹リゾート -ファットボーイズリゾート-

ソロモンの満腹リゾート -ファットボーイズリゾート-

有名なイギリスの小説家である、ディケンズの『ピクウィック・ペーパーズ』という作品を読んだことがありますか?この作品はピックウィック・クラブという奇妙なクラブの 会長 Pickwick と仲間4 人の会員が、通信部を組織して旅に 出て、旅先の見聞や遭遇した事件をクラブに報告した旅行記で、愉快な事件が次々と起こる物語です。
この作品はディケンズの2作目の小説です。

さて、なぜ小説の話が出てきたのかと言いますと、ソロモン諸島の有名なリゾートに、この『ピクウィック・ペーパーズ』にちなんだ名前のリゾートがあるのです!

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<Joe the Fatboy >

https://www.charlesdickensinfo.com


リゾートの名前は、『ファットボーイズリゾート』です。なぜファットボーイズ?と思われた方。ファットボーイズというのはピクウィック・ペーパーズに出てくる少年のジョーという登場人物に由来しているのです。「太った少年」のジョーは、大食いで、一日中常に寝ているキャラクター。このことから、『ファットボーイズリゾート』にいると、滞在中は『ファットボーイ』になってしまうということでこの名前がついたそう。
なぜかって?このリゾートの魅力を紹介していきます。

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ファットボーイズリゾートに行くには、まず、ホニアラから飛行機で1時間のウエスタン州の州都であるギゾへ。そこからボートで8分のムバンバンガ島にあります。1年の平均気温は29℃なので、1年中リゾートを満喫できること間違いありません!

●食事
リゾートには海上レストランとバーがあります。レストランでは地元で採れる新鮮なロブスターや白身魚をはじめとするシーフードを使った料理やソロモン諸島の伝統料理を楽しめます。
一方バーでは、品揃え豊富なワインや冷えたビールなどのアルコール類から、地元で採れた果物やコーヒー豆を使用したトロピカルドリンクやコーヒーが充実しています。レストランはランチもディナーも営業しているので、明るい時間の透き通った海から、夕日をバックにした海の贅沢空間を食事とともに楽しめます。

●アクティビティ
ファットボーイズではバラエティに富んだアクティビティやガイド付きツアーを利用できます。

①ダイビング
みなさんご存知の通り、ソロモン諸島でのダイビングはサンゴ礁、カラフルな魚、マンタなどの生き物だけでなく、第二次世界大戦の難破船などを幅広く楽しめることで有名です。特にファットボーイズリゾートがあるギゾ周辺の海洋生物の多様性が世界クラスであり、海水も熱帯のため暖かく、澄んでいます!
ギゾで充実したダイビングを楽しみたい方はこちらの『Dive Gizo』をチェックしてみてください!世界で2番目に多種類の魚がいるスポット『グランドセントラルステーション』や、太平洋戦争時に攻撃を受けて沈んだ全長140mの輸送船である『東亜丸』を親切なガイドさんと巡るツアーがあります。
https://www.divegizo.com/sites.htm


シュノーケリング
身軽に海中を楽しみたいという方にはシュノーケリングがオススメです。サンゴ礁のほか運が良ければカメやイルカが見られるかもしれません。 また、浅い場所にある難破船も見ることができます。
ファットボーイズのシュノーケルツアーでは、ニュージョージア島の最大の町、ムンダまで透き通った海と頭骨が祀られたスカル島、ラグーンを楽しめます。

③サーフィン
ギゾにはファットボーイズからボートでしかアクセスできない素晴らしいサーフロケーションがたくさんあります!主に3つのポイントがあり、レフトのTitiana(ティティアナ)、ライトのPailongge(パイロング)、ライトのOutside Naru(アウトサイド・ナル)です。ティティアナとパイロングには、ギゾの村から短いパドルで行くことができるそう!ベストシーズンは11月から4月いっぱいで北西の風が吹くそうです。サーフボードはレンタルできるので、気軽に参加してみてはいかがでしょうか?

そのほかにも・・・
カヤック、釣り、村巡りツアー、WWIIツアー、など様々なアクティビティが楽しめます!

●ホテル
ファットボーイズリゾートは環境に配慮したエコリゾートなのです。ホテルのバンガローは、伝統的な葉と地元の熱帯広葉樹が混ざったものを使用して作られています。

ホテルからは、コロンバンガラ島ケネディ島、そして暖かく穏やかな海など、美しい風景を臨めます。ホテルの周りには、長く続く白い砂浜、ターコイズブルーのラグーン、魚や海洋生物が生息するサンゴ礁熱帯雨林があり、自然の中でリフレッシュすることができます。

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バルコニーからの眺め

また、ファットボーイズには、2つのファミリーバンガロー、2つのカップルバンガロー、1つの各戸独立式ユニットがあります。
ファミリーバンガローには、ハンモックと絶景を見ることができるテーブルと椅子付きのバルコニーがあります。ビーチへの階段もあるので、すぐ泳ぎに行けます。
カップルバンガローにも、絶景が見える海上のベランダがあります。
各戸独立式ユニットには、専用のプライベートビーチがあり、ケネディ島とムンダのボナボナラグーンの景色を眺めることができます。部屋にはラウンジルームが備わっており、 2階には、ラウンジチェアとハンモックを備えた2つのバルコニーがあります。

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家族、カップル、友達同士でも楽しめること間違いなしです!

さらにホテルのサービスには、ベビーシッターサービス、送迎サービスなどがあります。


どうでしょうか?ファットボーイズリゾートで美味しい料理を食べて、海などの自然の絶景を楽しみ、充実したアクティビティを体験する、まさに太っちょジョーになってしまいそうなくらい贅沢ですよね!現実から解放され、人里離れた静かなファットボーイズリゾートで、次の休暇を過ごすのはいかがでしょうか?




(文:上田悠奈)

<参考>
https://www.kufs.ac.jp/toshokan/gallery/157.htm
https://www.mysolomons.com.au/resort/fatboys-resort/
https://pic.or.jp/travel_documentary/731/
https://www.gotours.com.au/fatboys-resort
https://epicureandculture.com/trip-to-the-solomon-islands/
https://www.hideawayholidays.com.au/solomon-islands-gizo-fatboys-resort/
https://solomontravel.sb/solomon-islands-travel-destinations/fatboys-resort/

レンネル島の飛ぶ狐?!絶滅危惧種の “Flying Fox”

みなさん、こんにちは。今回はソロモン諸島のFlying Foxについて紹介したいと思います。

さて、みなさんはFlying Foxと聞いて何を思い浮かべますか?
ここでクイズ!Flying Foxは何でしょうか?
1.モモンガ
2.キツネ
3.コウモリ
4.ソロモン諸島で今一番アツイサッカーチーム!
















正解は…
Flyingは飛んでいる、Foxは狐だから…え、ということは飛ぶ狐?!
と思いきや…
実は「オオコウモリ」のことを指すそうです。いや、狐じゃないんかーい!コウモリってbatだけではなかったんですね~>

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夕暮れ時のウェスタン州のコウモリ
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オオコウモリは別名フルーツコウモリ(fruit bat)。
コウモリと聞くと吸血鬼を想像してしまいますが、オオコウモリは花蜜や果実の汁を吸って生きています。リンゴやバナナ、マンゴーを食べるみたいですよ!!
意外ですよね~!オオコウモリは主に熱帯地域に生息するのですが、日本でも亜熱帯地域の小笠原諸島琉球列島に生息するそうです。

そんなオオコウモリの中でも今回はソロモン諸島の固有種であるRennell Flying Fox(レンネルオオコウモリ)について紹介していきます。
というのも、残念ながら絶滅危惧種とされているんです。ちなみに、小笠原諸島に生息するオガサワラコウモリも絶滅の危機が心配されているそうです。
甘い汁を吸って楽しているのではないようですね…。

さて、Flying Foxの前についている、Rennell(レンネル)は地名で、おそらく私たちのSNSをよくご覧いただいる方には馴染みのある名前だと思います。

レンネル島は、レンネル・ベローナ州に属しており、ガダルカナル島の南にあります。また、東レンネル島は世界自然遺産として登録されています。詳しくはこちらの記事から↓
visitsolomons.hatenablog.jp

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東レンネルのテガノ湖のサンセット
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レンネル島に生息するカツオドリの赤ちゃん


さて、そんな自然豊かなレンネル島に生息する、レンネルオオコウモリ(Pteropus rennelli)現地ではLanga(ランガ)と呼ばれているそうで、レンネル島の固有種です。絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。

こちらのウェブサイトの左側、上から3番目に写真が掲載されています。
https://east-rennell.com/lake-tegano-world-heritage/


また、こちらのレッドリストにも掲載されています。
IUCN Red List of Threatened Species


1929年に、オーストラリア人の哺乳類学者Ellis Le Geyt Troughtonが発見したようです。正基準標本によると前腕の大きさは121㎜です。そして背中は茶色。レッドリストのウェブサイトの写真だと、すっごくフワフワしてて気持ちよさそうですね!それにお目目がくりくりでかわいいですね!

でも他の詳しい情報はまだ明らかになっていません…。

現在はオーストラリア国立大学のTyrone H. Laveryを中心に研究がされています。2021年9月に複数の研究者たちと東レンネル島に調査に行った際に鳴き声を収録できたそうです。Macaulay Libraryにて二種類の鳴き声が保存されているそうです。




コウモリというと、あまりかわいいイメージがなかったのですが、今回の記事のリサーチを通じて愛着が湧きました。

また、レンネルオオコウモリ以外にもテモツオオコウモリやヴァニコロオオコウモリも絶滅危惧種に指定されています。さらに、他のコウモリも絶滅の危機に瀕しています。

その要因の一つに挙げられるのは、やはりが環境破壊です。
ソロモン諸島でもは環境破壊はが進んでおりみ、ソロモン諸島政府としてもこの問題の重要性を把握しているものの、さまざまなリソースが不足しており、自国の力のみでは具体的な行動ができる状態にないのが現状です。

そもそもソロモン諸島の環境教育が進んでいないことが、オオコウモリの研究者不足に繋がり、今の絶滅の危機の要因の一つになっているのではないでしょうか。
これから研究が発展し、レンネルオオコウモリが絶滅危惧種でなくなることを祈ります。

また、オオコウモリ以外にも多くの種類のコウモリがソロモン諸島には生息しています。コウモリ以外でも、みなさんが知りたい種や動物があれば、コメントください。

(文/馬場千智)


参考文献
https://petpedia.net/article/588/fruit_bat
http://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/ogasawaraokomori.html
<レンネルオオコウモリ>
https://east-rennell.com/lake-tegano-world-heritage/
https://journals.australian.museum/troughton-1929-rec-aust-mus-174-193198/
https://www.abc.net.au/news/2018-05-22/the-quest-to-find-5-rare-bats-in-5-weeks-in-pacific/9783380
http://dx.doi.org/10.2984/75.3.8