ソロモン諸島政府観光局ブログ

ソロモン諸島政府観光局日本事務所が運営する公式ブログです。

ソロモン諸島へ、本を贈りたい。

こんにちは、元在住の早水綾野です。
観光局としては日頃ソロモン諸島の良いところを宣伝させていただいていますが、
本日はちょっと違うお話をします。


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ソロモン諸島は、きれいな海に囲まれた自然豊かな国です。
WHOには、2017年に世界一空気がきれいな国として認定もされました。

一方、今年2020年8月時点でも未だ「後発開発途上国」に分類されています。(※1)
国連加盟国193カ国中、この分類にあたるのは47カ国。オセアニア地域では、キリバス、ツバル、バヌアツ、そしてソロモン諸島の4カ国のみです。

近年、「経済成長ばかりが人々の幸せではない」ということはよく語られており、特にソロモン諸島のような、食べ物が豊富にあって(これについては、地域や人々の事情によってそうとも限りませんが)人々が幸せそうな国を訪れると、「むしろこれが理想の姿なんじゃないか」と思う人さえいるでしょう。

しかし、医療や教育が整っていない課題については、どうでしょうか。

私が現地に住んでいたころの話です。
私の友人は、当時高校を卒業した後職業訓練校へ通っていましたが、「教科書を買うお金がない」と言って、実家の農園で採れた野菜を路上で販売していました。

彼女はよく、首都の市場へも野菜を売りにきていました。小学生だったいとこの男の子も、よくそれを手伝っていました。村へ帰るバスがなくなったと聞いて、2人を私の家に泊めたことがあります。男の子は慣れない外国人の家で緊張していましたが、漢字が書いてあるTシャツをあげたらとても喜んでいました。その後も「気に入って村でも毎日着てるよ」と聞いていました。


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彼は、中学校1年生のときに肝臓の病気にかかり亡くなりました。医者からはオーストラリアの病院へ送れば治ると言われたそうですが、そんなお金が用意できるはずもありませんでした。

設備ももちろんですが、人材も足りません。
海外へ留学して医者になった者は、たいてい国に帰ってこないのです。

またそれ以上に、留学できるような機会に恵まれる人も少ないです。


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勉強なり、スポーツなり、アートなり、「もっと学びたい」と芽生えた好奇心に対し、
学校なり、教材なり、先生なり、それらを育てるものが圧倒的に少ない。

現地の子どもに「お姉ちゃん、本をちょうだい」と言われたことを思い出しました。

ソロモン諸島の未来を担う世代の「学びたい」意欲に、少しでも貢献したい。

そんな想いから、在東京ソロモン諸島名誉領事館/ソロモン諸島政府観光局では、日本で英語の洋書を集め、ソロモン諸島へ贈る「SEND BOOKS」の活動を始めました。

共感いただけましたみなさま、下記リンクよりぜひご協力をお願い致します。
英語の洋書をお持ちでない方も、本ブログor下記リンク先のシェアにて、ご協力を宜しくお願い致します!


SEND BOOKS公式ページvisitsolomons.hatenablog.jp



※1. 国連開発計画委員会(CDP)が認定した基準に基づき、国連経済社会理事会の審議を経て、国連総会の決議により認定された特に開発の遅れた国々。

(文・早水綾野)