村の暮らし-コロンバンガラ島-
今回は、コロンバンガラ島でビレッジステイをしたときのことについて書いてみたいと思います。
これと言って何かがある島というわけでもないので、ソロモン諸島の離島で暮らす人々の、穏やかな生活を覗くつもりで、ゆるりと楽しんでいただければと思います。
コロンバンガラ島はウェスタン州にあります。ホニアラから国内線でギゾまで行き、そこからボートで30分程度です。

さて、ステイ先の子どもが船着場に迎えにきてくれていました。
ピジン語で自己紹介をします。首都から離れた離島へ行ってもピジン語が通じることは、ソロモン諸島が過ごしやすい理由のひとつです。(ピジン語は、英語と似ています。)

着くなり、子どもたちと海へ泳ぎに行きました。
ソロモンの子どもたちにとって海は日常的な遊び場です。
水着を着る文化がないので、みんな服を着たままばしゃーんと飛び込みます。

帰り道、ココナッツの木がたくさん生るジャングルを歩いていると、
男の子に「喉乾いた?」と話しかけられ、
その場で木登りして獲ってくれたココナッツジュースを飲ませてくれました。

ちなみにこの島は売店などが一切ありません。
人々は畑の野菜と、海の魚を食べて暮らしています。
その他の物資は、2週間に1回程度ギゾまで買い出しに行くのです。
1泊して次の日の朝ごはんはこんな感じでした。
こちらは、一般的なソロモン人が食べている朝ごはんというより、外国人向けにお母さんがんばってくれた朝ごはんです。(もし、観光で離島のゲストハウスなどに泊まられた場合にはだいたいこういうイメージの朝ごはんが出ることが多いと思います。)

お母さんの畑仕事も手伝いました。
本当に何もない島ですが、毎日採れたて野菜を食べるという贅沢があります。

子どもたちと散歩にも行きました。
学校も見せてもらいました。学校はただの木の小屋で、雨が降ると授業ができないと言っていて、切ない気持ちになりました。

自然に囲まれた暮らしの豊かさを感じつつも、
教育や医療が行き届かない課題も目の当たりにしたのでした。
お母さんとは電話番号を交換し(こんな離島でも電話は通じます)、
子どもたちとも「また会おうね」と約束し、お礼を言って、ステイを終えました。
ソロモン諸島は素朴ですがとても良い国です。
日本のみなさまにも、ソロモン諸島で心に染みる体験をしていただきたい、そんな風に思います。
(文・早水綾野)