圧巻の大量バナナ。その意味は...?
先週、マキラ・ウラワ州のとある村にてあるイベントが開催されていました。
インパクト大の大量のバナナ…さて何のイベントのために準備されているのでしょうか?
1. 島一番のバナナ決定戦
2. 豊作を願う祭り
3. 酋長にバナナを納める儀式
4. 結納の儀式
……正解は、文章の中でご紹介します!
さてさて、人口が少ないはずのソロモン諸島の村に、なにやら人々が、手にはバナナやその他の食糧を持って、たくさん集まっています。
人々は伝統的な衣装を纏っています。こうしたグリーンな葉っぱを身につけるのは、マキラ・ウラワ州の特徴です。
イベントが始まりました。伝統的な衣装を纏った男性と、吊り下げられたなにか…。
こちらは、ソロモンの代表的な装飾品で、歴史や文化を語る上ではかかせない存在のシェルマネーです。
その名の通り貝殻で作られており、かつては貨幣としても使用されていました。
主にソロモン諸島の東部では、男女が結婚するとき、このシェルマネーを男性側の家族から女性側の家族へ贈ります。そうです、正解は4の結納の儀式でした。
シェルマネーをもらった女性側の家族は、男性側の家族へ、食料のお返しをします。
というわけで、写真1枚目の大量バナナはお返しの品なのでした。バナナ以外にも、ヤム芋やブタなど、様々な食糧をお返しにするそうですが、バナナが豊富な州だけに、今回バナナだらけになってしまったのかもしれません…。
かつて人々は、この行事で結婚相手を決めていました。女性がこのように前に並び、男性がお嫁にしたい女性をシェルマネーで「買って」いたのだそうです。
現在、行事はあくまで形式的なものになっています。自ら結婚を決めた男女が、それぞれ家族にその件を伝え、この行事に参加する計画を立て、出席するのだそうです。結婚相手を自由に選べるようにはなったけれど、この行事をすっ飛ばしての結婚は、部族の一員として認めてもらえないなど...色々と難しいと聞きました。
ちなみに、シェルマネーの文化がいちばん根強いのはマライタ州です。
イザベル州やウエスタン州にはもともとこの文化はないようですが、昨今州をまたいだ結婚も増えており、場合によってやったりやらなかったりするようです。
また、一部のキリスト教の宗派はこの儀式を禁じています。
ソロモン諸島は多様な文化があり、村単位でも言葉やしきたり、事情が違ったりします。
今回はマキラ・ウラワ州の州都キラキラから車で2時間走ったところにあるナオルア村のお話でした。
今後も、多様な文化をお届けしていきます!
(文・早水綾野)