ソロモン諸島政府観光局ブログ

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インタビュー企画(2)ソロモン諸島で体育の授業!?

インタビュー企画の第2回目は、青年海外協力隊としてソロモン諸島ガダルカナル州のセントニコラスカレッジにて、体育教師としてご活動されている高橋菜緒さんにインタビューをしました!日本の学校では当たり前に行われる体育の授業ですが、ソロモン諸島ではまだ必修ではないようです。そこで皆さんに、高橋さんの教師としてのご活躍から、またオススメの観光地まで幅広くお伝えしていきます!後半部分はガダルカナルの戦跡についてもお話いただきました!

新型コロナウイルスの影響~

新型コロナウイルスの影響で大変な時期にご帰国されましたが、今は一時帰国中ですか?

はい、私は3月末から一時帰国しています。ソロモンには7月頭に戻れれば活動再開できるのですが、できなければこれで派遣終了になってしまいます。どうなるかはまだわからない状況ですね。
私は2019年の1月から派遣されたので、ソロモンに1年以上滞在していました。また戻りたいです。

~学校、授業内容~

・ソロモンで体育の先生をされているのですか?

はい、私はホニアラのセントニコラス学校に配属されています。
カトリック系の学校で、全校生徒は2000人弱となっています。
その中で私は、小学校準備学年から中学校2年生までをメインに体育の授業を教えています。
ソロモン諸島は今はまだ日本のように体育が必修ではないですが、必修になりつつあります。
なので、体育を知らない子どもたちや先生方に向けて、体育の楽しさや魅力、運動のアイデアを伝える活動を行っています。
すでにフォーム1からフォーム3(日本の中学1-3年生)は必修となっていて、2021年にはグレード1からグレード6、2025年からフォーム4以降(日本の高校1年生)も必修となる予定です。体育のシラバスもまだ制作過程にあるので、毎回の授業の内容は私が考えています。
ソロモンにある大学に体育学科ができ、卒業生も出てきたため、体育の先生も徐々に増えつつあるんです!


・ありがとうございます。子どもたちに授業を行う際に、日本の学校と違うと思うことはありますか?

結構違います。日本の子どもは絶対に授業に出ないといけないと思っていますけれど、ソロモンの子どもは「楽しくなかったら嫌だ」と素直に言う子どもが多いです。
例えばソロモンの子どもはとてもサッカーが好きで、ボールを渡すとすぐに蹴りだすのですが、いざ
私がキックベースやハンドベースといった「ベースボール型でやろう」と提案すると、サッカーの方が楽しいとダイレクトに返ってきます(笑)。子どもたちは新しい競技より、慣れている競技を好むようです。
なので、私は常にどうすれば新しいスポーツを楽しんでくれるかを考えています。

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ソロモンの子どもたちと高橋さん

ラクロス

・日本ではラクロスをされていたようですね。ラクロスプラスという記事を拝見しました。ソロモンでのラクロスの活動について教えてください。



まだラクロスの活動はそれほどできていないのですが、活動したいと思っています。段々ソロモン人にも言葉が通じるようになり、挑戦してみたいと思ってる時に帰国することになってしまいました。
ソロモン人にラクロスの動画を見せたことはありますが、実際に一緒にプレイしたことはないです。
ソロモンではラクロス知名度は全然ないですね(笑)
アンケートを集計した結果、400人のうち1人しか知らなかったです。
ただ、ソロモン人は体力や運動能力が高い子が多くて、生きてく上で使う能力は本当に高いと思います。高く飛べたり、力持ちだったり。
でも、例えば「けんけんぱ」といったようなリズム系は難しいようです。
そういった細かい足の動きが苦手なので、いざ縄跳びを跳ぼうと言っても出来ないことが多いです。


~ソロモンの魅力~

・ソロモンのどんなところが好きですか?

長く住んだからか、やっぱり人の良さが一番魅力だと思っています。
同僚や近所の方が気軽に声をかけてくれて、「一緒に帰ろう!」とか「これ食べなー。」と言って、ご飯をくれたり。
第ニの母が沢山いますね(笑)
マーケットに行った時も、全然知らない人でも「Japaneseか?」とか「◯◯と友達だよー」とか気さくに話しかけてくれます。



・観光はされましたか?いちばん良かった場所はどこですか?

一番良かった場所は、ガダルカナルの戦跡ですかね。
ガダルカナルの西側にある、バラナという村の中にある戦跡に行ったのですが、戦車や大砲がそのまま残っていてビックリしました。現地の人にガイドしてもらって、どこの兵隊さんがいたとかここで隠れて銃撃戦をしてたとか、詳しく教えてもらえました。
普通に銃弾やヘルメットの欠片、薬のビンが落ちたままになっていて、歴史の教科書よりリアルでした!!

銃弾などが落ちてる部分は、囲ってあって、そのままの状態を保たれていました。それから戦時中の物品が1か所に集められている場所もあって、そこにはヘルメット、日用品、水筒、写真などが展示されていました。一番ヘルメットの数が多くて、日本軍のも米軍のもありました。滞在中、戦争中に怪我した日本人を助けた人もという人にも会いました。

ありのままの戦跡が見れるので、バラナ村は戦争の歴史に興味があるが好きな方にはおすすめです。


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保管されている戦時中の物品

・その他行って良かったところは?
ツラギと、ヌグという近くの無人島には行きました。
個人的にはツラギがおすすめです!船で1時間ちょっとなので、土日の休みでぱっと行けます!
私はライダースホテルアンドダイブというホテルに滞在しました。
オーストラリア人オーナーが親切で、カヌーで別の島へ連れて行ってくれたり、ウニを獲りに連れて行ってくれたり、それから綺麗な海でダイビングもしたり充実した休日を過ごせました。ちなみに、ウニは普通に剥いて生で食べました(笑)
ツラギはのんびりするには本当に良い場所です!
他にもヌグという無人島に行きました。ヌグには白い砂浜があって、違う島まで行けるほどずっと浅瀬が続いてました!
ただ、ヌグは泊まろうと思ったら泊まれるのですが、キャンプって感じですね。
観光では難しいかもしれないです...。

観光地のウェスタン州はきれいなところがたくさんあると聞いていたのに、まだ行ってなかったのです。
戻れたらぜひ行きたいと思っています!

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ツラギの海の写真

(インタビュー 早水綾野・中西加恵)