ソロモン諸島のお土産【ヌズヌズ】
みなさん、ヌズヌズってご存知ですか?
ソロモン諸島の神様です。
こんな顔をしています。迫力がすごいですね。
別名として、ムスムス、トトイスといった名前もあるようです。
今となってはお土産や民芸品として人気のヌズヌズですが、元々はどのような背景で使われていたのでしょうか?
今回はそんなヌズヌズの歴史について見ていきたいと思います!
いきなりですが、本題に入る前にクイズです!ソロモンで信仰されている水の霊の名前は次のうちのどれでしょうか。
1、アソコ
2、カソコ
3、ヘソコ
4、ケソコ
答えは後ほど!
さて、ヌズヌズが用いられたのは19世紀から20世紀にかけてだと言われています。
「ソロモンと言えば!?」そうです!海ですよね!大海原を移動する彼らにとって、カヌーはとても重要でした。ヌズヌズはそのカヌーの先端に取り付けられていました。といっても、ただのカヌーではなく、戦闘用カヌーに取り付けられていたと言われています。ちなみに、この戦闘用カヌーのことを「トモコ」と呼ぶらしいです。
これが「トモコ」です。カヌーの両端が突き上がってるのが特徴です。
当時のソロモンでは首刈りを伴う激しい部族間の闘争が行われていました。相手の首を刈りに行くのですから、当然命がけの闘争ということになります。そんな危険極まる他島遠征の成功を保証する為に、トモコの先頭にヌズヌズが取り付けられていたのです。
また、戦闘の安全を保証することに加えて、ヌズヌズは水難事故を防ぐと信じられていました。ソロモンではケソコという水の霊が信仰されていました。ケソコは風や波を引き起こし、乗組員を食べてしまいます。そんな恐ろしいケソコを寄せ付けないために、ヌズヌズはトモコの先端に取り付けられていたのです。
ヌズヌズの顔は怖いですが、この歴史背景を知ればこの顔にも頷けますよね…。
何度見ても怖い…。ですが、最近は優しい顔のヌズヌズも増えてきているそうです。
ちなみにヌズヌズが取り付けられていた戦闘用カヌー「トモコ」も現代では2020ソロモンカップで初優勝したウェスタン州の代表サッカーチームの名前になっています。
さて、そんな戦闘遠征時に用いられていたヌズヌズですが、19世紀末から20世紀初頭にかけて使われることが少なくなりました。部族間の戦闘が少なくなったからです。イギリスによる植民地化、そしてキリスト教の布教がソロモンの部族間闘争に終止符を打ったと言われています。それ以来、ヌズヌズはソロモンを象徴する場でしか見られなくなりました。身近な例として、祭りで祀られたり、ソロモンの1ドル硬貨にヌズヌズの姿を見ることができます。
ちなみに、クイズの答えは4、ケソコです。
正解できましたか〜?
今日では様々な種類のヌズヌズをソロモンでは見ることができます。地域によっての特色もあるみたいですよ!首都ホニアラでは、アートギャラリー、ホニアラ市場、メンダナホテルなどで購入できます。
ソロモンを訪れた際には、お気に入りのヌズヌズを探してみてはいかがでしょうか!!
(文/山中清太朗、編集/馬場千智)
参考文献
https://www.solomontimes.com/news/the-nguzu-nguzu-western-province-symbol/2630
https://discovery.ucl.ac.uk/id/eprint/1305320/1/1305320.pdf
http://www.jiten.info/dic/nuzunuzu.html
https://ameblo.jp/one-world-123/entry-10952047781.html
http://manyu.cocolog-nifty.com/yunnu/2014/12/post.html
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/309868
https://minpaku.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2265&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1
https://en.wikipedia.org/wiki/Tomako