ソロモン諸島政府観光局ブログ

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ソロモン人はどこから来たのか?

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ソロモン諸島に初めて人類が到達したのはいつでしょうか?

地理的要因と言語の共通性についての研究から、少なくとも3万年ほど前までには最初の人類が到達していたと考えられています。約1万年前までソロモン諸島ニューギニア島と陸続き、あるいは狭い海峡を隔てた関係にあったと考えられており、さらにソロモン諸島西部と現在のパプアニューギニアの一部において「東パプア諸語」と呼ばれる言語が話されていたと言われています。

続いて「オーストロネシア語族」という人々が西のパプアニューギニアから到達しました。オーストロネシア語族は現在の福建省あたりから台湾に移り住んだ先住民と言われています。彼らはカヌーを使い、高度な航海技術を駆使しながらインド洋、太平洋を航海、西はマダガスカルにまで、東はイースター島まで到達しました。彼らはその土地の先住民と混血し多くの民族の祖となったと考えられています。

紀元前1200~800年頃には、「ラピタ人」と呼ばれる現在のポリネシア人の祖先とされる人々がソロモン諸島に到達しました。ラピタ人は、考古学的にも謎が多く興味深い対象のようです。東南アジアから、インドネシアに沿うウォーラシア海域を通ってきたという説がありますが、この地域で彼らの足跡を示すラピタ土器が発見されていないらしく、フィリピンから直接きたのではないかという説もあります。

ソロモン諸島では、紀元前1500年頃に使用されていたというラピタ土器が発掘されています。ラピタ人は、東のサモアタヒチヘも移動しポリネシア人となりました。

現在のソロモン人はメラネシア人が95.3%を占めていますがメラネシア人はこれらの民族グループの混血の結果、形成された民族と考えられています。人口の3.1%はポリネシア人ですが、10~13世紀に東へ移動した人々の一部が戻ってきて、ソロモン諸島のいくつかの島に定住をしたようです。

さて、複雑な混血を経てきたソロモン人ですが、彼らの肌が黒いのは、元々西部にいた東パプア諸語を話す人々が黒い肌を持っていたからのようです。

ソロモン諸島の西部といえば、チョイスル島です。ここにはとりわけ肌の黒い人々が住んでいるのだそうですが、こうした歴史からなのかな?と考えると、とても興味深いですね。

(文/高松 優至、編集/早水 綾野)